平成レトロブーム再燃!「たまごっち」が20代に再ブーム、その理由に迫る

はじめに:令和によみがえる90年代ヒット玩具

1990年代後半に社会現象級の大ヒットとなった携帯玩具「たまごっち」。発売から28年以上経った今、Z世代・20代を中心に再びブームが訪れているのをご存知でしょうか?実際、初代発売(1996年)以来のシリーズ累計販売数は2024年3月時点で9,400万個を突破し​、国内外で人気が再燃しているのです。

一昔前に流行したアイテムが現代の若者にウケている背景には、どんな理由があるのでしょうか。本記事では、「平成レトロブーム」の代表格とも言えるたまごっちに再びスポットを当て、20代に広がる令和のたまごっち旋風の秘密を探ります。

平成ブーム再燃の背景:たまごっちが再注目されるまで

当時女子高生を中心に爆発的流行を見せたたまごっちですが、ブーム収束後は低迷期もありつつ、2004年の復活やその後のシリーズ展開で細く長く愛され続けてきました。そして近年、**「平成レトロ」**への注目が高まる中で、たまごっちも再評価されています。再ブームまでの流れを簡単に振り返ってみましょう。

  • 1996年:初代たまごっち発売、大ブームに – 女子高生の間で爆発的に流行し、入手困難になるほど話題に。デジタルペットを育成するというコンセプトが新鮮でした。
  • その後ブーム沈静化~シリーズ継続 – 90年代末に一旦落ち着くも、2004年に「かえってきた!たまごっちプラス」でブーム復活。その後もカラー液晶化、アプリ連携など時代に合わせ進化しつつシリーズ継続。
  • **2020年代前半:**SNSやYouTubeで過去の玩具やファッションを楽しむ“平成レトロ”トレンドが台頭。若者の間で写ルンです(フィルムカメラ)やルーズソックスなど当時のブームがカムバックする中、たまごっちも「懐かしくて新しい」アイテムとして再注目されます。
  • 世界規模で人気再燃 – 近年は海外でもTamagotchi復刻版が発売され、欧米の若者からも支持を集めています。Bandaiによれば累計販売数は世界で9400万個を超え(2024年3月時点)​、グローバルに展開される人気玩具として健在です。

特に2023年~2025年頃にかけて、平成時代を子供・青春時代に過ごした20~30代が懐かしさで再び手に取ったり、逆にリアルタイムで知らない10代後半~20代前半が「逆に新鮮!」と興味を持つ現象が起きています。

20代にウケる理由1:ノスタルジー×最新テクノロジーの融合

たまごっち再ブームの大きなポイントの一つが、懐かしさと新鮮さの両立です。かつて遊んでいた世代にとっては「子供の頃持ってた!」というノスタルジーがあり、初めて触れる若い世代にはレトロ可愛いガジェットとして映ります。この世代間ギャップを埋めたのが最新たまごっちの機能です。

例えば近年発売された「Tamagotchi Smart」や「Tamagotchi Uni」などは、従来の育成要素に加えスマホアプリ連動や時計型デバイスなど新機能を搭載。具体的には:

  • マッチングアプリ風機能:お見合いシステムで他のたまごっちと交流、結婚して次世代に…といった現代的遊びも。
  • アルバイト&ショッピング:ミニゲームでお小遣いを稼ぎ、ごはんやアクセサリーを購入(※バーチャル通貨「ごっちポイント」で)。​現実のフードデリバリーサービスを模した「たまデリバリー」で餌を注文する等、時代に合わせたネタ満載。
  • SNS連携/アプリ:育てたキャラをアプリで他ユーザーと交流させたり、育成記録をシェアできる。

こうした平成生まれの玩具に令和らしい拡張性を持たせたことで、当時を知る大人も「今のたまごっちスゴイ!」と驚きつつ再び夢中になり、若者にはスマホ世代に響く遊びとして受け入れられました。ノスタルジーに頼るだけでなく新規ファン層を取り込む進化が、ブーム再燃の原動力になっています。

20代にウケる理由2:手軽さとコミュニティ性が現代向き

スマホゲーム全盛の今、あえて専用端末で育成という行為が逆に新鮮であり、かつ手軽さがウケています。たまごっちは基本的に短時間でのお世話の積み重ねで遊べるため、通勤通学や休憩時間の合間にサッと遊べる「ながら育成」が可能です。忙しい20代にとって、ちょっとした気分転換ツールとしてちょうど良いのです。

また、現代のたまごっちブームにはSNSでのコミュニティ形成も一役買っています。TwitterやInstagramにはたまごっち専用のハッシュタグ(例:#たまごっち部 など)があり、自分の育てたキャラクターの成長記録を共有したり、レアキャラが出たと報告し合ったりするユーザーが多数います。「昔はひとりで遊んでいたけど、今はみんなで育成状況を見せ合える」のがモチベーションにつながっているようです。

さらに、TikTokでもたまごっち関連動画が人気です。たとえば懐かしのおもちゃ紹介動画で取り上げられたり、新作たまごっちを開封して遊ぶ様子がバズったりと、動画プラットフォーム経由で興味を持った若年層も多く見られます。

他の平成レトロも人気:一緒に来た“懐かしい”ブーム

たまごっち再燃は単独の現象ではなく、平成レトロブームという大きな流れの一部です。20代女性を中心に、以下のような90年代~00年代カルチャーが次々と再流行しています:

  • ファッション:ルーズソックス、厚底スニーカー、ガチャベルトなど当時のコギャル・ギャルファッションがリバイバル。
  • プリクラ:スマホではなくあえてプリントシール機で写真を撮り盛る遊びが「エモい」と再評価。原宿でプリクラ専門店が賑わい。
  • 音楽:90年代J-POP(小室ファミリーやユーロビート)のリバイバルヒット、カラオケで平成ソング歌唱がブーム。
  • 他の玩具:ゲームボーイや初代PlayStation、ピッチ(PHS)、写ルンです等ガジェット系も若者に人気のインテリア/ホビー化。

こうしたトレンドの中で、たまごっちは**「可愛くて写真映えする」**という点でも再注目されました。カラフルなたまご型の端末デザインは今見てもレトロポップでおしゃれと感じる人が多く、実際ファッションの一部として首から下げたりバッグに付けている20代もいます。「持ち歩ける平成アイコン」としての役割も果たしているわけですね。

おわりに:懐かしくて新しい、その魅力は不変

令和の時代に復活したたまごっちブームは、懐かしさを楽しむ心新しい物好きな好奇心という、一見相反する要素を同時に満たしたことが成功の鍵でした。当時熱中した人も、初めて触れる人も、それぞれの立場で魅力を感じられる普遍性がこの小さなおもちゃには宿っています。

「平成レトロ」としての側面だけでなく、デジタルペットとしての癒やし驚きを提供し続けるたまごっち。20代の間でも「もう一度育ててみたい」「友達と一緒に始めた!」という声が後を絶ちません。あなたも子供の頃を思い出して、あるいは新鮮な気持ちで、令和最新版のたまごっちを手に取ってみてはいかがでしょうか。きっと、小さな画面の中に懐かしい未来が広がっているはずです。