TikTokのエンタメ系トレンドをマーケティングに活かす方法

はじめに

Z世代・20代にリーチするには、TikTokのトレンド活用がカギです。音楽やダンス、ハッシュタグチャレンジなどTikTok発のエンタメトレンドを企業マーケティングに取り入れる方法を考えてみましょう。ここでは成功事例を交えつつ、そのポイントを紹介します。バズる文化を上手に自社プロモーションに活かせれば、若年層から熱い支持を得られるはずです。

1. ハッシュタグチャレンジでユーザー参加促進

TikTokならではのハッシュタグチャレンジは企業キャンペーンの定番となりました。例えば、丸亀製麺は新商品「シェイクうどん」のPRで「#シェイクうどんダンス踊ってみた」キャンペーンを実施​。ユーザーに公式音源「Shake Cup!」に合わせてダンス投稿してもらい、入賞者に賞品をプレゼントする企画です​。結果、多くの応募が集まりTikTok上で商品認知が拡大しました。ポイントは(1)簡単で楽しい参加ルール、(2)魅力的な特典設定、(3)ユニークなハッシュタグの設定です​。ユーザーが「自分もやってみたい!」と思う仕掛けを作ることで、自発的な拡散が期待できます。

2. 流行ダンスをブランドに絡める

バズっているダンスや音源を自社企画に取り入れるのも有効です。マヨネーズで有名なキユーピーは、『3分クッキング』60周年記念にオープニングダンスのコンテストをTikTokで開催しました​。新しくなった番組OPダンスを野菜キャラクターと踊る動画を募集し、優秀作品をテレビ番組で放映&豪華賞品進呈という内容です​。テレビ×TikTok連動がユーザーの関心を引き、数々の参加投稿が生まれました​。このように既存の流行(テレビ番組のダンス)をうまくブランドキャンペーンに昇華させることで、企業発でも自然にバズを巻き起こすことができます。

3. インフルエンサー起用で信頼度アップ

TikTokで影響力を持つクリエイターをアンバサダーとして起用する手もあります。サントリーは新商品「ビアボール」の発売記念に人気TikTokクリエイター6名を採用し、大きな話題を呼びました​。彼らが出演するWeb動画や、公式TikTokに投稿する「ビアボールの楽しみ方」動画を制作し、「#ビアボーラーズ #ビアボールやってみた」などのハッシュタグで一斉発信​。TikTok的ノリを理解したインフルエンサーが商品の魅力を面白く伝えてくれるため、ユーザーから「試してみたい!」との声が続出しました。ポイントは企業カラーと合うクリエイターを選ぶことと、クリエイターの個性を活かした自由度の高い企画にすることです。親近感のある第三者発信により、ブランドメッセージがスムーズにターゲット層へ届きます。

4. エフェクトやフィルターを開発

TikTokには独自のARエフェクトやフィルター機能があります。これを活用し、企業オリジナルのエフェクトを提供するとバズる可能性があります。ディップ株式会社は求人サービスの宣伝で、自社キャラクターに変身できるエフェクト&ハッシュタグチャレンジを展開​。ユーザーが自分の顔をそのキャラ風にできる遊び心で参加を促しました。ブランド体験をエンタメ化する手法で、広告臭を抑えて自然に興味を持ってもらう狙いです。技術的なハードルはありますが、一度ヒットすれば関連動画が量産されるので、高い宣伝効果が見込めます。

5. タイミングとトレンドを見極める

マーケティングに活かすには、トレンドの鮮度も大切です。TikTokの流行サイクルは早く、盛り上がっているタイミングを逃すと効果半減。企業キャンペーンの企画段階からTikTokトレンドをモニタリングし、柔軟に取り入れることが重要です。例えば流行中のドラマ『Eye Love You』があれば、そのパロディネタを広告要素に絡める等、リアルタイムな話題を反映することでユーザーの関心に刺さります。​

一方、無理に古いネタを引っ張ると「今さら?」感が出てしまうので注意しましょう。常にTikTok上の動きをチェックし、自社との親和性が高いトレンドがあれば素早く企画に組み込む。このスピード感がマーケティング成功のカギとなります。

6. ユーザー生成コンテンツを二次活用

TikTokキャンペーンで集まった**UGC(ユーザー生成コンテンツ)**は、その後のマーケにも活かせます。例えば前述のキユーピーのダンス投稿は、テレビ番組オープニングで紹介されました​。また受賞作品をまとめてYouTube配信する、社内イベントで共有するなど、二次利用することで企業イメージ向上にも繋がります。消費者が自発的に作ってくれたコンテンツ=生の声でもあるため、製品改善へのヒントにすることも可能です。TikTok上だけで終わらせず、UGCをマーケティング資産として広く活用する発想が大切です。

まとめ

TikTokのエンタメ系トレンドをマーケティングに活かす方法を見てきました。ハッシュタグチャレンジでユーザー参加型プロモーションを行ったり、流行のダンスや音楽をブランドに取り入れたり、インフルエンサーと組んだりと、その手法は様々です。共通するのは「ユーザーに楽しんでもらう」視点に立つこと。広告臭を出しすぎず、企業も一緒にTikTok文化を盛り上げる姿勢が若者の共感を呼びます。20代である私たちも、面白い企業キャンペーンには乗っかりたくなりますよね。ぜひ自社マーケティングにTikTokトレンドを積極的に取り入れて、ユーザーと一緒にバズを作る感覚で施策を展開してみてください。