映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』レビュー:30代も夢中!任天堂の魔法がスクリーンに

小さい頃、ファミコンやスーファミで「スーパーマリオ」に熱中した30代の皆さんに朗報です。マリオと仲間たちがハリウッドの手でフルCGアニメ映画化され、2023年に公開されました。その名も『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』!公開前は「ゲームの映画化はどうかな…」と一抹の不安もありましたが、結果は世界的大ヒット。1980〜90年代にマリオで遊んだ世代も、子どもと一緒に観に行った世代も、大満足のエンタメに仕上がっていました。今回は30代ゲーマーとして、本作のレビューをお届けします。

マリオワールド全開!ストーリーと世界観

あらすじ: 平凡な配管工マリオと弟のルイージは、ニューヨークで暮らしていたが、ひょんなことから土管に吸い込まれ、不思議な「キノコ王国」へ飛ばされてしまう。そこでピーチ姫やキノピオたちと出会い、凶悪なクッパが王国を襲おうとしていることを知ります。ルイージとは別々の世界に飛ばされ行方不明。マリオはルイージを救い、クッパを倒すため、ピーチ姫やドンキーコングと共に冒険に出る…という、ゲームの要素を活かしつつ映画オリジナル要素も織り交ぜたストーリーです。

ゲーム愛に満ちた世界: 何と言っても感心するのは、ゲームシリーズへのリスペクトがこれでもかと詰め込まれている点です。キノコ王国の風景、土管や?ブロック、パックンフラワーといったお馴染みの仕掛けがCGでリアルに再現され、30代の私は序盤からニヤニヤが止まりませんでした。ピーチ城内部の柱に描かれた模様がスーパーマリオ64の絵柄だったり、マリオが最初にパワーアップアイテムのキノコを食べるシーンなど、「わかってるな〜!」と思わせる演出がテンコ盛り。またマリオカートのレインボーロードでのカーチェイスシーンなど、複数ゲームシリーズがクロスオーバーする贅沢さで、一瞬たりとも目が離せません。

30代が刺さるポイント

懐かしのBGMアレンジ: 音楽面でも原作ゲームのBGMがふんだんにアレンジされ使われています。地上BGM、地下BGM、スター取得時の無敵テーマ…子供の頃に何度も耳にしたメロディがオーケストラで流れた時は、思わず「うおっ!」と声が出そうに。エンディングではあの「マリオのテーマ」が壮大に鳴り響き、スタッフロールを見ながら30代の私は涙腺が緩みました。一緒に観ていた息子はキョトンとしていましたが、私にとっては一種の「人生エンディングテーマ」みたいなものでしょうか(笑)。ゲーム音楽って、世代の記憶に深く刻まれているんだなあと実感しました。

小ネタ探しが楽しい: 映画にはイースターエッグ(隠れ要素)が多数あります。例えば、冒頭のマリオたちのCMソングがアニメ版マリオ(90年代のTVアニメ)のテーマ曲だったり、マリオの部屋にNES(海外版ファミコン)が置いてあったり。さらには任天堂他作品のオマージュもこっそり。私は1回目は純粋にストーリーを楽しみ、2回目で小ネタ探しをしてしまいました。同世代の友人とも「あのシーンのアレ分かった?」と語り合えるネタが豊富で、30代にとっては往年の任天堂ネタクイズ大会のような楽しみ方もできます。

家族で共有できる: この映画、30代の親世代が子供と観に行くケースも多かったようです。私自身も甥っ子(小学3年)を連れて行きましたが、上映後に「マリオって面白い!ゲームやりたい!」と言われて内心ガッツポーズ。彼にとっては初マリオ体験が映画だったわけですが、映画をきっかけにレトロゲームの楽しさにも興味を持ってくれたのが嬉しかったですね。自分が子供のころ熱中したものを、新世代と共有できる喜びは格別です。30代くらいだと親子二世代鑑賞も珍しくなく、Twitterなどでも「子供より自分の方が夢中になった」などの声が多々見受けられました。

映画としての魅力

シンプルで王道な物語: ストーリー自体はシンプルな冒険活劇で、難しい謎解きや複雑な設定はありません。そのぶん、小さな子供から大人まで誰でも分かりやすく楽しめます。30代の我々にとっては、むしろこれくらい王道の方が肩肘張らず童心に返って観られて良かったように思います。悪役クッパもコミカルかつどこか憎めない描写(ピーチ姫への恋心なんて設定も)で、ゲームのテイストそのまま。最後はもちろんハッピーエンドで爽快に終わるので、観終わった後素直に「楽しかったー!」と笑顔になれる作品です。

映像美: イルミネーション(ミニオンズなどで有名なアニメ制作会社)の手によるCGは発色が鮮やかで美しく、キャラクターの表情もイキイキしています。マリオたちのデザインは原作ゲーム寄りで崩さず、そのまま質感を上げた感じ。キノピオの可愛さ、ドンキーコングの毛並みなど、細部までこだわりが見えました。大画面映えするアクションシーンも多く、劇場で観る価値大です。30代としては、一度は夢見た「マリオの世界に入り込む」体験を映画という形で叶えてもらった気分でした。

まとめ

『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』は、30代にとって懐かしさと新鮮さが調和した素晴らしい娯楽作品でした。子供の頃に憧れたゲームの世界が、2020年代の技術で見事に映像化され、その中で再びマリオと冒険できるなんて、本当に贅沢な時間です。任天堂キャラクターへの愛情、ファンへのサービス精神が溢れていて、何度でも観たくなってしまいます。

ゲームファンなら絶対に楽しめますし、そうでなくても分かりやすく楽しめるので、家族や友人ともぜひシェアしてください。映画館で観れなかった方も、配信やブルーレイでチェックする価値アリです。マリオが駆け抜けるブロックの丘、その先に待つのはどんな景色? 30代になった今でも、マリオは私たちに「大冒険」のトキメキを思い出させてくれました。Let’s-a go! 次はあなたがこの冒険に出る番です。