社会現象となった『鬼滅の刃』。2020年頃は子供から大人まで「鬼滅!鬼滅!」と大ブームでしたね。一見、週刊少年ジャンプ原作の子供向けアニメ…と思いきや、むしろ大人がドハマりするケースも続出しました。「うちの子より私の方が鬼滅にハマってしまった!」なんてお母さんがテレビで語っているのを見た方もいるのでは? 30代の私たちも例外ではなく、仕事終わりにこっそり一人で劇場版を観に行って号泣したり、推しキャラ談議で盛り上がったりと、その熱中ぶりは子供以上かもしれません。なぜ鬼滅の刃は大人の心まで掴んだのか、その魅力を紐解いてみましょう。
イントロダクション
『鬼滅の刃』は2019年のアニメ放送開始と共に火が付き、翌2020年の映画『無限列車編』が歴史的大ヒット。国内興行収入は400億円を超え、日本映画史上1位の記録を打ち立てました。ここまでのブームになるには、子供だけでなく親世代・大人世代の取り込みが不可欠です。実際、当時は「会社の上司がおすすめしてきた」「普段アニメを観ない両親までハマった」といった話がゴロゴロ聞こえてきました。特に30代は少年ジャンプ世代でもあり、「久々にジャンプ漫画を全巻買い揃えた!」という同世代も多かったですよね。
アニメに詳しくない層まで巻き込んだ要因として、ストーリーの分かりやすさと普遍性が挙げられます。家族を鬼に殺された少年・炭治郎が、残った妹を人間に戻すため鬼と戦う旅に出る――この王道でシンプルな物語が老若男女に刺さりました。善悪が明確で勧善懲悪ものかと思いきや、鬼にも悲しい過去があるという深みもあり、大人が観ても十分見応えがあります。そして何よりキャラクター達の絆や想いに心を打たれ、「久々に心の底から泣いた」という30代が続出したのです。
30代が鬼滅の刃に共感したポイント
鬼滅の刃が大人世代にも響いた理由を、いくつかのポイントに分けてみました。
- 家族愛と責任感: 主人公・炭治郎が家族を想う気持ち、そして長男としての責任感は、年齢を重ねた私たちにとっても共感度が高いです。30代になると家族を持ったり親の立場になったりして、守るものができる人も多いですよね。炭治郎が妹の禰豆子を必死に守る姿や、「長男だから我慢できたけど次男だったらry」のセリフ(ちょっとネタですが笑)には、大人だからこそ感じるものがあります。自分も家族のために頑張ろう、と勇気づけられた方もいるのでは。
- キャラクターの心理描写: 鬼滅の登場人物たちは皆、様々な悲しみや葛藤を抱えています。炎柱・煉獄杏寿郎の母との約束、善逸の臆病だけど大切な人を守りたい気持ち、伊之助の育った環境からくる不器用さ…。こうした心の機微が丁寧に描かれているので、年齢関係なく感情移入できます。特に柱(鬼殺隊の最強剣士)たちのバックストーリーは大人にも響くものばかり。誰しも人生で壁にぶつかった経験がありますが、彼らがそれを乗り越えて“柱”となった姿に、自分を重ねて「俺も頑張らねば」と奮い立った30代男性も周りにいました。
- 圧巻の映像美と音楽: アニメ版のクオリティが非常に高かったことも見逃せません。ufotable制作の映像は、普段アニメを観ない人まで「すごい…」と唸らせる迫力でした。鬼との戦闘シーンの躍動感や刀技のエフェクト、美しすぎる背景描写など、大人になって目が肥えた私たちでも素直に感動できる出来映えです。また梶浦由記さん&椎名豪さんによる劇伴音楽や、LiSAさんの歌う主題歌「紅蓮華」も耳に残り、中年世代でもカラオケで熱唱する人続出でした(笑)。映像と音楽のパワーで物語への没入感が増し、大人も引き込まれたのだと思います。
さらに忘れてはならないのが、「子供を通じてハマった大人」の存在です。30代だと小学生くらいのお子さんがいる方もいますよね。「子供が鬼滅にハマって一緒に観ていたら、自分の方がのめり込んだ」という声は本当に多かったです。普段は子供向けアニメを仕方なく見守っている親御さんたちが、「鬼滅だけは次回が待ちきれなかった!」なんてエピソードも。親子で推しキャラの話をしたり、一緒に映画館に行ったりと、世代を超えた共通の趣味になったのも鬼滅ならではでしょう。
みよみよの考察
筆者自身、最初は「流行ってるし一応観てみるか」くらいの軽い気持ちで鬼滅の刃のアニメを見始めたのですが、気づけば完全に心を掴まれていました。子供の頃に感じたアニメのワクワクを久々に思い出したんです。30代にもなると、エンタメ作品に対してどこかクールな見方をしてしまうことが増えていました。しかし鬼滅を観ている間は、そんなスレた感情は吹き飛び、キャラクターの生死に本気で涙したり、鬼を倒したときはガッツポーズしていたり…。大人になって忘れていた純粋な感動を呼び起こしてくれた気がします。
また、鬼滅の刃には人生の教訓や名言も多く、大人の心に刺さる言葉が散りばめられています。煉獄さんの「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ」という言葉は、生と死を見つめ直すきっかけになりましたし、鱗滝さんの「努力は日々の積み重ね」という教えは地道に頑張ることの大切さを改めて教えてくれました。少年漫画的な熱血セリフと思いきや、意外と哲学的で深い。それをキャラクター達が命を懸けて発するものだから、余計に胸に響くんですよね。「明日も仕事つらいけど、煉獄さんならどう声をかけてくれるかな…?」なんて想像して自分を鼓舞した朝もありました(笑)。
そして何より、鬼滅の刃は世代を超えて語り合える楽しさがあります。同世代はもちろん、年下や年上とも鬼滅の話で盛り上がれるのは貴重です。職場でも上司と「煉獄さんはいい…」「いや冨岡さんも捨て難い…」なんて雑談で距離が縮まったりしましたよ。昔好きだったジャンプ漫画(ドラゴンボールや幽遊白書など)について語るのも楽しいですが、鬼滅はリアルタイムで共有できるブームだった分、より会話が活発になりました。共通の話題があると不思議と皆元気になれるもので、鬼滅ブームの頃は日本全体がちょっと明るくなっていた気さえします。
まとめと読者への問いかけ
鬼滅の刃は「子供向けのアニメ」という枠を超え、30代を含む大人世代にも大きな影響を与えました。そこには家族愛や責任、努力や絆といった普遍的なテーマ、そしてアニメーション作品としての完成度の高さがあり、何より心を揺さぶる物語の力がありました。久しぶりに涙腺崩壊するほど泣いた、なんて人も少なくないでしょう。大人になってもこんなに夢中になれる作品に出会えたこと自体が、なんだか嬉しいですよね。
皆さんは鬼滅の刃にハマったきっかけは何でしたか?そして、どんなところに心を掴まれましたか?「推しの○○の最期に号泣した」「煉獄さんの言葉に救われた」「家族で全集中して観た」などなど、30代ならではの鬼滅エピソードがあればぜひ教えてください。あなたにとって鬼滅の刃とは? 大人目線で語る鬼滅談義、お待ちしています!