はじめに
スマホ片手に過ごすことが多い現代、あえて手を動かしてモノを作るハンドメイド趣味が若者の間で注目されています。アクセサリー作り、キャンドル作り、陶芸、編み物、レザークラフト…ジャンルは様々ですが、20代の男女が次々と新しいクラフトに挑戦し、その成果をSNSで披露する姿をよく見かけるようになりました。コロナ禍で生まれたおうち時間の有効活用という流れもあり、「ものづくりを趣味にする」ムーブメントが広がっています。
20代がハンドメイドにハマる理由
このハンドメイド熱、背景にはいくつかの要因があります。まず第一に、クリエイティブ欲求の解放です。デジタル世代と言われる私たちですが、一方で自分の手で何か形あるものを生み出したいという欲求は根強く存在します。既製品を買うだけでは満たされない「自分だけの特別なものを作りたい!」という思いが、ハンドメイドを始めるきっかけになっているようです。
第二に、ストレス発散・癒し効果。仕事や勉強で頭がいっぱいの日々の中、無心で手を動かす時間は瞑想のようなリラックス効果があります。編み物で一目一目編んでいく作業や、粘土をこねて器を形作る作業は、集中するほど余計な悩みを忘れさせてくれます。出来上がった作品は達成感に繋がり、「自分にもこんな素敵なものが作れた!」という自己肯定感を高めてくれるのも大きな魅力でしょう。
三つ目は、個性や思いを表現できる点です。ファッションやインテリアにおいて、「他人とは違う自分だけのスタイルを持ちたい」というZ世代の価値観がありますが、ハンドメイドはまさにうってつけ。世界に一つのオリジナルアイテムは、それを身につけたり飾ったりするたびに喜びがあります。友人へのプレゼントとして手作りのアクセサリーやカードを贈れば、温かみのある思い出になりますし、「これ自分で作ったんだ!」と胸を張れるネタにもなります。
また、SNSでシェアしやすいのも現代ならでは。Instagramには#ハンドメイド好きと繋がりたい や #DIY女子 などのハッシュタグがあり、自分の作品を発信すれば同じ趣味の仲間から「素敵!」「作り方教えて」と反応が返ってきます。コミュニティが広がることでモチベーションもアップし、趣味がさらに楽しく長続きする好循環が生まれています。
不器用な私が挑戦!ハンドメイド体験談
実は筆者も、流行に乗ってハンドメイドを始めた一人です。もともと不器用で図工は苦手だったのですが、コロナ禍中に時間ができたこともあり「何か作ってみよう」と決意。手軽に始められそうなアロマキャンドル作りのキットをネットで購入しました。
初めてのキャンドル作りは試行錯誤の連続。ロウを溶かす温度管理に手間取り、精油の量を間違えて香りが薄かったり…。それでも数日かけて完成したキャンドルに火を灯した瞬間、達成感と感動が湧き上がりました。「自分で作ったものがこんなに綺麗に灯るんだ!」と、しばらく眺めてしまったほどです。さっそく写真を撮ってSNSにアップすると、友人たちから「すごい!売り物みたい!」とコメントが。調子に乗った私は次々と色違いキャンドルを製作し、今では部屋中がお気に入りの手作りキャンドルでいっぱいです。
さらに調子づいた私は最近陶芸教室にもチャレンジしました。電動ろくろで湯のみを成形するのは難しくて、何度も形が崩れてしまいましたが、先生に教わりながら何とか形に。焼き上がったマグカップは少しいびつでしたが、それもご愛嬌。自宅でそのマグを使うたびに「また陶芸やりたいな」と思う自分がいます。趣味としてだけでなく、生活の中で自作のものが活躍してくれるのは何とも嬉しいものです。
ハンドメイドを楽しむコツ
これからハンドメイドを始めたいという方に、いくつかコツを。
- 手軽なものから始める: 最初から本格的な木工や大物DIYに挑むと挫折しやすいです。アクセサリー作りキットやキャンドルキットなど、初心者向けのセットを利用すると道具も最小限で済み、手順もわかりやすいのでおすすめです。
- 教室やワークショップに参加: 独学が不安な場合は、体験教室に行ってみるのも手。陶芸や編み物、レザークラフトなど各地で初心者向けワークショップが開催されています。講師に教われば上達も早く、同じ趣味の仲間もできます。
- SNSで情報収集: ハンドメイド系のハッシュタグやYouTubeの作り方動画など、今は情報が豊富です。先人のアイデアを参考にしながら、自分なりのアレンジを加えてみるとオリジナリティが出せます。進捗をSNSに載せてみれば、励ましのコメントをもらえてやる気UPにも繋がります。
- 楽しむ気持ちを大事に: うまくできなかったり時間がかかったりしても、それも含めて楽しむ余裕を持ちましょう。上手な人と比べて落ち込む必要はありません。マイペースに続けることで、気づけば技術も上達しているはずです。
まとめ:ものづくりがもたらす豊かさ
ハンドメイドブームは、効率やスピードが重視される社会にあって、スローでクリエイティブな時間の大切さを教えてくれています。自分の手で何かを生み出す喜び、一つひとつの工程に向き合う充実感、そして出来上がった作品への愛着…。ものづくりには心を豊かにする力があります。
20代のうちに、新しい趣味としてハンドメイドに挑戦してみるのはきっと素敵な経験になるでしょう。たとえ小さな作品でも、それを通じて日常がカラフルに変化します。世界に一つだけの作品を自分で作り出す楽しさを、ぜひ多くの人に味わってほしいと思います。あなたの手で紡ぐ物語が、これからの暮らしをより彩り豊かなものにしてくれるはずです。