2024年にTikTokやYouTubeで大ブレイクした楽曲といえば、こっちのけんとが歌う『はいよろこんで』が挙げられるでしょう。SNSを中心に口コミで広がり、「この曲知ってる?」と若者の間で話題沸騰。昭和テイストのレトロなアニメ風ミュージックビデオも相まって、若い世代だけでなく親世代からも「懐かしい感じがしてイイ!」と支持を集めました。なぜ『はいよろこんで』はここまでバズったのでしょうか?その理由を紐解いてみます。
「はいよろこんで」ってどんな曲?
『はいよろこんで』は、2024年5月にリリースされたこっちのけんとの楽曲です。こっちのけんと(Kocchi no Kento)はネット発の男性シンガーソングライターで、この曲が初の大ヒットとなりました。曲調はノスタルジックな昭和歌謡風ポップスに現代風のビートを融合させたような独特のサウンド。歌詞には「ギリギリダンス」といったユニークなフレーズが登場し、一度聞くと頭から離れないキャッチーさがあります。特にサビの「♪はいよろこんで」というフレーズは、一度聞くと思わず口ずさんでしまう中毒性を持っています。
また、公式MV(ミュージックビデオ)もヒットの大きな要因です。昭和時代のアニメを彷彿とさせるレトロ調のアニメーション映像で制作されており、「昔のテレビアニメを見ているみたい!」とノスタルジーを感じる人が続出しました。一方で映像の随所に小ネタが仕込まれているのもポイント。例えば、画面の端に流れるモールス信号や、一部のセリフが逆再生音になっているなど、隠し要素が散りばめられており、ファンの間で「この演出にはどんな意味が?」と考察が盛り上がったのです。
SNSで巻き起こったムーブメント
『はいよろこんで』はリリース直後からTikTokで火が付きました。サビの「ギリギリダンス」の部分に合わせてダンスする動画や、曲に乗せて面白動画を作る投稿が相次ぎ、一気にバイラルヒットに。昭和風のMVを真似て、わざと映像をレトロ加工した「昭和っぽく踊ってみた」動画など、クリエイターたちが趣向を凝らした二次創作も多数登場しました。
また、この曲は幅広い世代に受け入れられた点も見逃せません。若者にとっては新鮮なレトロ感がウケ、高年層にとっては懐かしさでホッとするという、世代を超えた魅力がありました。「娘に教えてもらって聴いたらハマった!」「孫と一緒にギリギリダンス踊ってみたよ」といった微笑ましいエピソードもSNS上で散見され、家族ぐるみでこの曲を楽しむ姿も見られました。
こうした盛り上がりもあって、YouTubeに公開された公式MVの再生回数は1億回を早々に突破。TikTokやストリーミングサービスでの再生数も爆発的に伸び、関連動画や音源の累計再生数は100億回以上とも言われています。まさに2024年を代表する音楽トレンドとなりました。
ヒットの秘密:懐かしさ×新しさの融合
『はいよろこんで』がここまで支持された背景には、懐かしさと新しさの絶妙な融合があります。昭和の雰囲気を纏ったサウンドと映像は他の流行曲にはない独特の個性となり、人々の目と耳を引きつけました。同時に、リズミカルなビートやSNS映えする仕掛けといった現代的エッセンスもしっかり盛り込まれていたため、古臭さは感じさせずむしろ「新しい!」という印象を与えたのです。
さらに、MVに散りばめられた謎解き要素がファンの考察欲を刺激し、コミュニティでの盛り上がりを創出しました。「○○秒あたりでモールス信号が流れてる」「逆再生のセリフを解析したら意味のある言葉が!」など、ファン同士が情報交換しながら深掘りしていく過程自体がひとつのエンタメとなったのです。こうした能動的なファン参加型の盛り上がりは、単なる消費に留まらずブームをより長続きさせる原動力になりました。
まとめ:令和ネット発ヒットの好例
『はいよろこんで』の成功は、ネット発ヒットの新たな形を示したと言えるでしょう。昭和レトロな見た目に最新のバズ戦略を盛り込むことで、世代やジャンルの壁を越えた支持を獲得しました。SNS時代ならではの広がり方で、ひとつの楽曲がここまでブレイクする様子は見ていて痛快です。今後も、懐かし要素を現代風に料理したコンテンツがトレンドを席巻するかもしれません。まだ『はいよろこんで』を聞いていない人は、ぜひ一度チェックしてみてください。その魅力に「よろこんで」ハマってしまうかもしれませんよ!