誰もが知る国民的アニメ『名探偵コナン』。毎年恒例の劇場版は、30代となった今でもついつい観に行ってしまうという方も多いのではないでしょうか。今年(2023年)公開の第26作『黒鉄の魚影(サブマリン)』は、劇場版コナン史上最高の興行収入を叩き出す大ヒット作となりました。私も公開直後に鑑賞しましたが、長年のファンとして胸アツな展開満載で大満足!この記事ではネタバレを控えつつ、『黒鉄の魚影』の魅力と、30代が感じるコナンシリーズの変遷について語ってみたいと思います。
あらすじと基本情報
舞台は海洋施設「パシフィック・ブイ」: 物語の舞台は、東京・八丈島近海に建造された海底施設「パシフィック・ブイ」。ここは警察庁とヨーロッパの技術者たちが連携し、各国の監視カメラ網を連結するシステム「ブラックボックス」を運用する最先端施設。コナンや少年探偵団は、小五郎のおっちゃんや蘭ねーちゃん、灰原哀とともに見学ツアーでこの施設を訪れます。しかし、その裏では宿敵「黒ずくめの組織」が施設への大規模な工作を企んでいて…というスリリングな幕開けです。
お馴染みキャラ大集合: 本作は灰原哀(=組織から脱走したシェリー)がメインヒロイン。彼女に関わる因縁のキャラクターたちが続々登場します。ジンやベルモットはもちろん、近年人気急上昇中のライ(赤井秀一)&バーボン(安室透)コンビも大活躍。さらに、原作ではおなじみでも劇場版初登場となるキャラも登場し、30代ファンは思わず声を上げてしまうかも?私はある場面で「キタァァ!」と心の中でガッツポーズしました(笑)。子供の頃から追ってきたキャラたちがスクリーンで集合する興奮は、アベンジャーズ並みです(言い過ぎ?)。推しキャラそれぞれに見せ場が用意されているのもファンにはたまりません。
サブマリン=海底: タイトルの「黒鉄の魚影」とはまさに黒ずくめの組織の潜水艦を指しています。海底施設×潜水艦というシチュエーションはコナン映画としては珍しく、新鮮でした。海中でのカーチェイス(船だけど)や、潜水艇を使ったアクションなど、迫力満点の映像が楽しめます。30代としては、どこか『沈黙の15分』や『水平線上の陰謀』といった過去作を彷彿とさせる部分も感じつつ、CG技術の進歩で格段にリアル&スリルアップした演出にハラハラしました。
30代が感じた本作の魅力
灰原哀のドラマ: 灰原哀は1990年代後半から登場し、当時中高生だった私たちにとって「クールな美少女キャラ」として人気でした。それが劇場版最新作で大きくフィーチャーされ、彼女の心情や覚悟が描かれたのが胸熱でした。序盤、コナンとの何気ない会話シーンから彼女の心の揺れ動きが伝わり、中盤以降は組織に追いつめられる中での葛藤、終盤に見せる決意と強さ…。一人のキャラクターとしてしっかり成長物語が描かれているのが良かったです。30代になると、灰原の背負った過去の重みや、仲間を想う気持ちに以前より深く共感できますね。ラスト近く、彼女がある選択をする場面では思わずウルっときてしまいました。
黒の組織との直接対決: 劇場版コナンではお馴染みの黒ずくめの組織ですが、実は劇場版への本格登場は『漆黒の追跡者』(2009年)以来14年ぶり。テレビシリーズでは核心に迫る因縁ですが、劇場版は基本パラレルといえど「黒の組織と戦うコナン」はそれだけでテンション上がります。30代にとって、ジンやウォッカといった悪役はもはやレジェンド級。ジンの冷酷非道ぶりは本作でもブレず貫かれており、「コイツ絶対許せん!」という久々の怒りを感じました(笑)。その分、コナンたちとの対決が痛快に決まるとスカッとします。原作でまだ解明されていない伏線には触れない範囲で、しかしギリギリまで攻めたストーリーが見事でした。
アクション&推理のバランス: コナン映画といえばド派手なアクションが醍醐味ですが、本作はそれだけでなくミステリー要素も結構楽しめました。序盤の殺人事件とそのトリック、中盤の組織の陰謀の伏線など、コナンらしい推理パートもあり、「そうきたか!」と唸るところも。30代になると推理サスペンス系ドラマや映画も散々観てきて目が肥えていますが、それでも十分満足の出来。さらにアクションシーンでは赤井&安室のバトルとか、コナンVS組織のハイテク攻防とか、これまた魅せてくれるんですね。ジェットコースタームービーとして完成度が高く、「今年の映画コナン、めっちゃ面白いぞ!」と周りに薦めたくなりました。
懐かしキャラ登場: ネタバレは避けますが、前述のとおり原作で人気のあのキャラやこのキャラが劇場版初登場しています。30代ファンなら「あーー!」と心の中で叫ぶシーンが複数あるはず。ネット上でも公開後、彼らの登場に歓喜する声が多かったですね。最近の劇場版コナンは、ゲストキャラ中心のオリジナルストーリーが多かったので、こうやって原作キャラ総出演的な映画は久々。まるでオールスターゲームを観戦しているような贅沢感がありました。私的には○○○(キャラ名伏せます)の声優さんがTVから変更なく続投されていたのも嬉しかったです。30代だと声優さんの事情とかにも詳しくなっちゃってますからね(笑)。
シリーズ26年、30代が感じる変化
劇場版のスケールアップ: 振り返ると、劇場版コナン第1作『時計じかけの摩天楼』が公開されたのは1997年。あれから毎年欠かさず続き、規模や興行収入は年々大きくなってきました。30代の我々は、その成長をリアルタイムで見てきたわけで、隔世の感があります。当初はシンプルな推理劇だったのが、今や全世界を股にかけるスパイアクションも辞さないスケールに。私はどちらも好きですが、今回『黒鉄の魚影』がこれだけヒットしたのを見ると、大きなストーリー路線への支持が高いのかなと感じました。SNS世代も取り込めているのか、話題性抜群でしたしね。
ファンサービスの巧みさ: 最近のコナン映画はファンサービスが本当に上手です。キャラの見せ場配分や、シリーズファン向けの小ネタ、エンドロール後のお楽しみなど、「わかってる」感が凄い。30代ファンとしても、長年観続けてきた甲斐があると思わせてくれます。本作ではエンドロール中にもある“演出”があり、私は見ながらニヤニヤしてしまいました。こういう細部まで楽しませてくれる姿勢が、長寿シリーズでも飽きが来ない秘訣でしょうね。
家族で楽しめる: 30代になると家族を持つ人も多いと思いますが、コナン映画は大人だけでなく子供や親世代とも一緒に楽しめるのが強みです。今年の映画館でも、親子連れやご年配の方々も目立ちました。私も子供の頃両親に連れられてコナン映画を観に行ったものですが、今度は自分が子を連れて行く番かも…?そんな風に世代を超えて愛される作品となっていることに、シリーズの底力を感じます。「今年のコナン映画はこうだったね」なんて家族で会話できるのは素敵ですよね。
まとめ
劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影』は、30代を含む幅広いファン層の期待に応え、さらに上回るエンターテインメントでした。長年のシリーズファンが興奮するドラマとキャラクター、初見さんも手に汗握るスリル、子供も大人も惹きつけるストーリーと、まさに誰もが楽しめる内容に仕上がっていたと思います。個人的にも、ここ数年のコナン映画で一番満足度が高かったです。
ファン歴約25年の30代として、これからもコナン君の活躍を追いかけていきたいですね。次回作以降も既に制作発表がされており、今度は誰がフィーチャーされるのかワクワクが止まりません。歳を重ねても少年漫画のヒーローに熱くなれるのは、本当に幸せなことだなあと感じます。まだ『黒鉄の魚影』を観ていない方、コナン離れしていた30代の方も、ぜひ劇場や配信でチェックしてみてください。きっと昔のドキドキが蘇りますよ!
公安もFBIも黒の組織も入り乱れる展開に、コナン史上最大のピンチ!?——その結末は、ぜひご自身の目で確かめてください。30代の心にも深く刻まれる一作になること間違いなしです。