「ゲームなんて時間の無駄」——若い頃、親によくそう叱られたものです。ですが、30代となりビジネスの世界で奮闘する今、ふと振り返るとゲームでの経験が仕事に役立っている場面があることに気づきました。子供の頃にただ夢中になって遊んでいただけのゲームたちが、実は私たちに大切なスキルを授けてくれていたのかもしれません。これは、私自身や周囲の同僚たちが体験した、ゲームと仕事をめぐるちょっと意外な物語です。
モンスターハンターで培ったチームワーク
新製品のプロジェクトチームに配属されたときのこと。メンバーは曲者揃いで、当初は意見がぶつかり合ってばかりいました。プロジェクトリーダーになった私は、どうにか皆の力を結集できないかと悩んでいました。そんなある日、雑談の中でメンバーの一人が「週末はモンハン(三)」つまり**『モンスターハンター』**で遊んでいると話してくれました。実は私も学生時代にモンハンに熱中していたので一気に意気投合。他のメンバーも「自分もやってました!」と次々にカミングアウトし、急遽オンラインで一狩り行くことになりました。
深夜のオンライン狩猟で、私たちは役割分担や作戦立案に燃えました。ヘビィボウガンで援護射撃を担当するA君、近接武器でモンスターの注意を引くBさん、回復薬で仲間をサポートする私——気づけば自然とチームワークが生まれ、何度か全滅しつつも最終的に強敵モンスターを討伐!ゲーム内のチャットで「ナイス!」と送り合った瞬間、まるで本当のチームで仕事をやり遂げたような連帯感が生まれていました。
その翌週から、不思議とプロジェクトでのコミュニケーションが円滑になりました。モンハンで見せたA君の冷静な状況判断を私は信頼するようになり、Bさんが困っているときには「回復役入ります!」なんて冗談めかしてサポートに回る余裕も生まれました。ゲームで培った連携プレーが、そのまま仕事のチームワークにも良い影響を与えたのです。幼い頃にはただ楽しいだけだった協力プレイですが、大人になった今、その重要性を身をもって再確認することになりました。
難関ゲームが教えてくれた粘り強さ
開発プロジェクトの山場で、どうしても解決できない不具合にぶつかったときのことです。何度トライしてもバグが取り切れず、徹夜続きで心が折れそうになっていました。そんな中、ふとあるゲームの記憶が蘇りました。超高難度で知られるアクションゲーム『ダークソウル』シリーズです。学生時代、私は何十回もゲームオーバーを繰り返しながらボス攻略に挑み、ついに倒したときの達成感を味わったものでした。「もう一回だけやってみようか」気がつくと私は小さく呟き、コーヒー片手にPC画面に向かっていました。ダークソウルで学んだのは、失敗してもパターンを学習し改善を続ければ、いつか道は開けるということ。バグ修正も同じはずだ、と自分に言い聞かせ、一つずつ原因を洗い出して試行錯誤を重ねました。
夜明け頃、ついにプログラムが正常に動いた瞬間、私は思わずガッツポーズ!まるで鬼ボスを倒した時のような昂揚感でした。後日この話を同僚にしたところ、「わかる!僕も難しい案件乗り越えたときダクソクリアした時思い出しましたよ」と盛り上がりました。地道なトライ&エラーを続ける粘り強さ——これこそ、難関ゲームが私たちに教えてくれた貴重なスキルなのだと実感しました。
ゲーム体験がもたらす意外な効果
他にも、ゲームの経験が仕事に活きた例は枚挙に暇がありません。営業職の先輩は、「将棋で培った先読み思考のおかげで、商談相手の出方を読むのが得意になった」と笑います。クリエイティブ職の友人は、子供の頃から親しんだ『マインクラフト』で鍛えた発想力でユニークな企画を次々と生み出しています。私自身も会議中、複雑な課題に直面すると頭の中でパズルゲームのブロックを組み替えるように要素を整理している自分に気づきます。
こうしてみると、ゲームで遊んだ時間は決して無駄ではなく、形を変えて私たちの中に息づいていることが分かります。趣味と侮るなかれ、楽しみながら身につけたスキルは意外な場面で力を発揮するものです。
子供の頃に感じたあのワクワクや悔しさ、達成感。それらはすべて、今の自分を支える糧になっています。もしあなたがゲーム好きなら、自分の得意なゲームを思い出してみてください。そこに眠る経験値が、ビジネスのフィールドで新たな武器になる日が来るかもしれません。ゲームで学んだ勇気と知恵を胸に、現実という名のフィールドでもクエストを楽しんでいきましょう!