Mrs. GREEN APPLEといえば、一度聴いたら忘れられない独特なメロディと世界観を持つ楽曲で人気を集めるバンドですよね。
その中でも「点描の唄 (feat. 井上苑子)」は、2018年のリリースから時を経てもなお、多くのファンに愛され続けている名曲です。Billboard JAPANのストリーミングチャートでは、3億回再生を突破し、2022年9月14日時点で196週連続TOP300入りを果たすほどの人気ぶりです。
この楽曲がなぜこれほどまでに人々の心を掴むのか、その魅力を歌詞解釈を通して紐解いていきましょう。
「点描の唄」の基本情報
まずは、「点描の唄」の基本情報を紹介します。
項目 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
発売日 | 2018年8月1日 | |
収録アルバム | – みぎてやじるし ひだりてはーと (2020年) – また、すぐ会えるよね。 (2018年) – まかのんソングス〜じぇいぽっぷ〜 (2021年) – Love Genic / Bye-Bye-Bye (通常盤) (2022年) | |
作詞・作曲 | 大森元貴 | |
歌唱 | Mrs. GREEN APPLE feat. 井上苑子 | 井上苑子をフィーチャリングした楽曲 |
「点描の唄」は、Mrs. GREEN APPLEのボーカル大森元貴さんと、シンガーソングライター井上苑子さんのコラボレーション楽曲です。 井上苑子さんの透き通るような歌声が、楽曲に新たな彩りを加えています。
ミュージックビデオとライブパフォーマンス
「点描の唄」のミュージックビデオでは、男女の出会いと別れが、美しい映像で描かれています。 点描画のようなアニメーションや、光と影の演出が、歌詞の世界観をより深く表現しています。
また、ライブでは、Mrs. GREEN APPLEと井上苑子さんが一緒にパフォーマンスする姿が見られます。二人の息の合った歌声と、観客との一体感が、ライブ会場を感動で包み込みます。
歌詞解釈
「点描の唄」の歌詞は、一見するとシンプルなラブソングのように見えますが、実は深い意味が込められています。
「僕」と「君」の関係性
歌詞に登場する「僕」と「君」は、恋人同士であると同時に、親友や家族のような、強い絆で結ばれた存在として描かれています。
例えば「いつか消えてしまう 君の全てを<br> 忘れないように 焼き付けておこう」
この部分からは、「君」の存在が「僕」にとってかけがえのないものであり、「君」を失うことを恐れている「僕」の気持ちが読み取れます。
「点描」が象徴するもの
「点描」は、点が集まって絵を形成するように、小さな出来事や記憶の積み重ねが、二人の関係性を築き上げていることを象徴しています。
例えば「点と点で繋がってく 僕らの毎日が<br> かけがえのないものだと気付かされる」
日々の些細な出来事の一つ一つが、二人の絆を深めていることを表現していると言えるでしょう。
この「点描」という言葉は、二人の関係の脆さも暗示しています。 点と点が繋がって線になるように、一つ一つの出来事が二人の関係を支えている一方で、その点が途切れてしまえば、関係は崩れてしまう可能性も秘めているのです。
「永遠」への願い
歌詞全体を通して、「永遠」という言葉が繰り返し登場します。これは、「僕」と「君」の関係が永遠に続くことを願う「僕」の強い想いを表しています。
例えば「永遠を誓うことはできないけど<br> 今のこの気持ちは嘘じゃないんだよ」
「永遠」を誓うことはできない現実を理解しつつも、「君」への想いは本物であると訴えかける「僕」の切実な気持ちが伝わってきます。
しかし、同時に「永遠」という言葉は、叶うことのない願い、儚い夢を象徴しているようにも感じられます。 「いつか消えてしまう」という歌詞からもわかるように、「僕」は「君」との別れを予感しているのかもしれません。
表現技法
「点描の唄」では、比喩や反復など、様々な表現技法が用いられています。
比喩
「点描」は、二人の関係性を比喩的に表現したものです。この比喩によって、抽象的な感情が具体的なイメージとして捉えやすくなっています。
例えば、「僕らの毎日が<br> かけがえのないものだと気付かされる」という部分では、日々の生活が「点描」に例えられています。 これは、日常の些細な出来事の一つ一つが、二人の関係を形成する上で重要な要素であることを示唆しています。
反復
「永遠」という言葉の反復は、「永遠」への強い想いを強調する効果があります。また、「好きだよ」などのフレーズの反復は、楽曲にリズミカルな印象を与えています。
「永遠」という言葉は、歌詞全体で何度も繰り返されています。 この反復によって、「永遠」への強い憧れと、それが叶わないかもしれないという不安が、より鮮明に表現されています。
「点描の唄」の魅力
「点描の唄」の魅力は、共感しやすい歌詞と、Mrs. GREEN APPLEらしいキャッチーなメロディにあります。
多くの人が経験するであろう恋愛の喜びや切なさを、繊細な言葉で表現した歌詞は、聴く人の心に深く響きます。
また、大森元貴の独特な歌声と、井上苑子の透き通るような歌声が織りなすハーモニーも、この楽曲の魅力の一つと言えるでしょう。二人の声が重なり合うことで、楽曲に深みと奥行きが生まれています。
楽曲制作秘話
「点描の唄」は、大森元貴さんが、ある絵画展で点描画を見たことがきっかけで生まれた楽曲です。 無数の点が集まって一つの絵を形成する点描画のように、小さな出来事の積み重ねが、かけがえのない思い出や関係性を築き上げていくという想いが込められています。
まとめ
Mrs. GREEN APPLEの「点描の唄」は、歌詞解釈を通して見ると、さらに深い意味を持つ楽曲であることが分かります。
「点描」という比喩や、「永遠」への願いなど、様々な要素が絡み合い、聴く人の心を掴む名曲を生み出していると言えるでしょう。
この曲は、恋愛の喜びや切なさだけでなく、日常の大切さ、そして永遠に続くものはないという儚さを、私たちに教えてくれます。
日々の小さな出来事を大切に、かけがえのない人との時間を慈しむこと。
「点描の唄」は、そんなメッセージを私たちに伝えているのではないでしょうか。